健康な土のお話

土壌診断

作物を生み出す貴重な資源「土」の性質を知ろう   - 土の健康診断ECって何? -

 

 

実はたいへん貴重な資源「土」

私たちが食べる作物を生み出してくれる土は、実は地球上ではとても貴重な限りある資源だということをご存知ですか?

数字で示すと。地球表面の70%は海で陸地は残りの30%です。その陸地表面にある土を均一に敷きならしたら、地球の陸地表面に土は18センチです。これは人間の皮膚より薄い割合なんです。

土は、元を正せば岩が細かくなったものですが、単にそれだけではありません。そこに植物の落ち葉が落ちて、それが微生物に食べられて、さらにその混ざったものをミミズなどの小動物が食べて、糞として固まりにします。そんな風に膨大な時間をかけながら土になっていくわけです。

その土は、森などの自然界では1㎝出来上がるのに、日本では百年、アフリカでは千年の歳月が必要になるそうです。

今回は、そんな貴重な資源「土」の状態を知るための主な指標となるEC(電気伝導度・土壌養分濃度)についてお話したいと思います。

作物を生み出す「土」の良し悪しをつかむ

EC(イーシー)はpH(ペーハー)とともに土壌診断の最も基本的な項目です。

EC(電気伝導度)は、土壌中にある様々な物質の養分濃度の総量を表します。チッ素などの肥料成分はイオン化された状態(NH4+、NO3など)でないと植物に吸収されないため、土中に含まれている肥料の総量はECの値で把握することになります。

ECの計測は、水に入れた土を撹拌し上澄み部分の電気の通りやすさを計ります。この溶液中にイオン化された養分(肥料成分等)が多いと電気が良く伝わって数値が大きくなり、少ないと電気が伝わりにくいので数値が小さくなります。

このように圃場の養分(肥料成分等)がどれだけあるかを数値で把握できるので、これを基準に施肥量を決めることができます。特に土壌内の硝酸態窒素と比例するため、窒素施肥の決定に対しては大きな指針となります。

施肥量の判断としてはもちろん、作物の種類や地域ごとの土質の特性も加味しなければなりませんが、一般的には長年使用しているハウスの土壌はEC値が高くなる傾向(肥料成分過多)があり、露地の畑で、初めて作物を栽培しようとする畑では、EC値は低く出る傾向(肥料成分過少)にあります。

植物にとっての適正なEC値(施肥前)は0.2~0.4 mS/cmで、0.8 mS/cm以上では濃度障害などの悪影響が現れやすくなります。

 

トマトが枯れてしまった畑の土とは?

 

以下は弊社での分析事例で、トマト定植後生育が進まず枯死した圃場です。(土質は粗粒質灰色グライ土)

pH EC 硝酸態窒素値 10a当たり換算値
圃場名〇〇 5.59 2.67 74.7mg/100g 74.7㎏

このトマトの圃場では、すでに74.7㎏/10aの硝酸態窒素が入っています。これはトマト23t分の吸収量です。トマト栽培で平均的な収穫量6t/10aを目標とした場合、40a分に相当し、適正な量の約4倍の肥料がすでに入っているということになります。

EC値もかなり高く、pH値も低い酸性度となっています。

明かな濃度障害ですね。

このような事故を回避するためにも前回のpH値、EC値、硝酸態窒素の残量を、分析によって把握&診断し、適正な元肥量、追肥量をつかむことはとても大切です。

弊社では、特別な要因がなければEC値0.3以下の場合は通常の施肥量、それ以上ですと段階的に施肥量(特に元肥)を減量するようにご提案しています。

作物によっても違いますが、EC1.5以上の場合は元肥なしのほうが良いと思われます。

高すぎるEC値を下げる(除塩)方法としては、緑肥(トウモロコシ、ソルゴー等)を栽培して圃場外に持ち出す、圃場の天地返しや土を深耕して表土のEC濃度を下げる、対塩性の高い作物(トウモロコシ、ナス、キャベツ等)に変える等があります。

土づくりを毎作カルテで管理しよう

栽培の基本となる土づくりを、今までは長い年月をかけてカンを身につけ行っていましたが、それは大変な労力と、時に失敗を伴うものでした。

これからは土壌診断という羅針盤があります。ぜひ「まずは土壌診断」をおこない、土壌のバランスを健全に保ちながら必要以上のコストを削減できる、失敗のない栽培計画をすすめてください。

弊社では土壌診断についてこれからの農業に必須と考え、多くの生産者の皆様が取り入れやすい特別価格で行っております。

また、精度の高い分析装置を使用しており、その診断結果はカルテとして保管し、継続的に土壌の状態を管理していただけるようにしています。

どうぞお気軽にお申込みください。

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