健康な土のお話

飢饉を救ったサツマイモに広がる基腐病(もとぐされびょう)

飢饉を救ったサツマイモ

さつまいもはビタミン・ミネラルなどの必要な栄養素が豊富で栄養価が高く「準完全栄養食品」とされている優れた野菜です。しかも貯蔵性が高いこともあって、日本では江戸時代に、徳川吉宗によって凶作時の救荒(きゅうこう)作物として全国各地に広がりました。

それ以前の享保の大飢饉と呼ばれる時期、アルム農材のある、ここ瀬戸内海地方でも史上最大の凶作に陥っていました。しかし何故か愛媛県に属する芸予諸島の中の1つ、大三島だけは、薩摩藩でしか栽培が許されていなかったはずのサツマイモが作られていたことで、餓死者を出すことなく被害を免れられたそうです。

飢饉の多かった故郷である瀬戸内に、危険をおかして薩摩藩から内緒でもらい受けたサツマイモを広めたのは下見 吉十郎(あさみ きちじゅうろう)という人物でした。

彼は瀬戸内海の大三島(おおみしま)に生まれましたが、凶作続きで4人の子を失い、その霊を慰めるために出た全国行脚の旅先、鹿児島のある農家でこのサツマイモに出会いました。苦しい状況を聞いた農家の主は禁を犯して種芋を譲り、吉十郎は持っていた小さな仏像に穴を開けて種芋を隠して命懸けで持ち帰り、瀬戸内に広めたのです。

吉十郎は多くの人を救った人物として慕われ、今も甘藷地蔵(かんしょじぞう:甘藷=サツマイモ)として島内や近隣各地に祀られています。
※出典:ウィキペディア

その後も、日本では戦後の食糧難も含めて無数の命をサツマイモがつないだと言われています。

2018年に確認され次々と広がる基腐病(もとぐされびょう)

近年大きな問題となっているサツマイモ基腐病は、ヒルガオ科(主に甘藷)に糸状菌(しじょうきん=カビ)が寄生して起こり、葉や株元が変色して、進行すると芋が腐敗、株全体も枯死する病害です。東南アジアから台湾へ、そして沖縄、鹿児島と、全国的にも広がりを見せています。

未知の病害なので対応できる農薬もなく、勢いを止めることができていないのが現状です。
特にひどい被害が焼酎用芋(黄金千貫:こがねせんがん)です。鹿児島、宮崎の酒造メーカーも大変な危機感を持っており、両県の行政も大切な県産品を守るため対策に頭を悩ませています。

この状況下、私たちアルム農材にも、生産法人様、農材商社様、種苗メーカー様などからお問い合わせをいただき、2020年、2021年、2022年と高密度の有機微生物資材の提供、検証を行っています。

私たちアルム農材は、有機資材メーカーとして時間は多少かかっても、やはり天然物からできた微生物土壌改良材で対応するのが、長いスパンで考えると良いのではないかと考えています。
一定の病原菌をやっつけるというよりも、土壌のトータルバランスを整えていくことで、じっくり自然なかたちで病害を抑えるという方法です。

救荒作物として多くの人々を救ってくれたサツマイモを、この大変な病害から守り、また安心して栽培し食べることができるように、これからも力を尽くして行きたいと思います。

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