今が旬の作物たち

国内生産が期待される「パプリカ」 ーその生まれと育ち 栽培のポイントとはー

色鮮やかなパプリカ、その生まれと育ちは?

食卓の洋風化にともなって年々需要が増えているパプリカですが、まだ国産は約1割ほどで輸入物がほとんどです。その内訳は韓国、オランダ、ニュージーランド。料理法も色どりに少量使うのが一般的ですね。

しかし世界を見ると、沢山の種類や味そして料理法があって実に豊かな文化をもたらしている野菜だということが分かります。

そんなパプリカに今日はフォーカスしてみましょう。

 

パプリカの原産地はメキシコなど中南米で、ナス科トウガラシ属の野菜。この仲間は大変多くて世界にさまざまな色や形、甘酸っぱいものから激辛なものまであります。

コロンブスがアメリカ大陸を発見した16世紀の大航海時代にヨーロッパに持ち込まれ、気候が似て降水量が少なく日照時間が長いハンガリー大平原で、盛んに生産されるようになりました。その後、ある農家がたまたま見つけたのが、辛み成分カプサイシンが劣性遺伝子の、辛みをもたないトウガラシでした。そこから様々な品種のパプリカが生産されるようになりました。

 

意外に知られていない最大の魅力、栄養成分

栄養面ではビタミンCもカロテンもピーマンの2倍以上。ビタミンEはなんと5倍も含まれているという優秀さ。がんの予防、免疫力の強化、アンチエイジングなど、健康を保つために重要な働きをする抗酸化作用をもつ栄養素がたっぷりです

中でも豊富なビタミンCにはエピソードがあります。

1937年にハンガリー人の博士セントジョルジ・アルベルトが、パプリカからビタミンCを抽出するのに成功し、その功績を讃えられノーベル化学賞を受賞しました。

その後このビタミンCは錠剤にもなり、世界中に輸出されて、今では大きな産業として育っています。

そんなこともあってハンガリーではパプリカの品種改良が進み、国を挙げて推進したため、ハンガリー料理に無くてはならない物となりました。

 

パプリカ栽培、そのポイントは?

見た目も中身も優等生のパプリカですが、栽培となるとなかなか難易度が高い野菜です。

ピーマンは早採りできますが、パプリカは実がしっかり完熟して色が鮮やかになった時が収穫適期なので、開花してから収穫できるようになるまでに約2ヵ月かかります。この期間を、樹勢を衰えさせることなく良好な状態を保つことが大切です。

 

栽培のポイントは、

1、ナス科で連作障害が出やすいため、上質な堆肥に強力土壌改良材「OKY-999」をたっぷり入れて土づくりをしっかりと行うこと。

2、過湿にも乾燥にも弱いため、高畝にして水はけをよくしてやること。

3、大型で肉厚なだけあって肥料喰いなため、完全発酵の有機肥料「畑の美食」を元肥にたっぷりと、切らすことなく追肥すること。

4、早期の活着と充分な根張りを「アルム顆粒」や「アルム純」で作り、安定した健康体を長く保つこと。

パプリカは生食でも甘みを感じるので、サラダにしてもおいしく美しく、食卓が華やかになりますし、これから色々な料理法が輸入されるにしたがってますます需要が伸びていく注目の野菜ですね。

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